真昼の星

夢咲く舞台に輝け私

【SVシングルシーズン8】壁レジエレキ入りマルチ展開【最終18位】

SVシングルシーズン8で使用して最終18位だった構築。
TN:まひる

また、しざよさんが同じベースの構築を葉桜杯予選、本選でそれぞれ使用し、本選優勝の結果を残してくれた。


レジエレキ 183-108-82-121-71-268
水ウーラオス 201-200-120-*-80-124
カイリュー 175-202-140-*-121-101
サーフゴー 194-*-115-203-111-105
パオジアン 155-187-111-*-85-179
ハバタクカミ 131-*-92-170-156-205

youtu.be しざよさんが動画でレンタルパーティを公開しているのでそちらを参照してほしい。

コンセプト

  • 選出・展開をロジカルに行える構築作り
  • 選出誘導により対面構築ミラーで有利に戦える確率を上げる

構築経緯

マスター到達まで


マスター到達まではガラル環境の水ウーラオス+サンダーの幻想を見て、スカーフ水ウーラオス+霊獣ボルトロスを軸として、パオジアンやハバタクカミ、霊獣ランドロスを強そうな型で採用した構築を使用していた。
しかし、下記の理由から軸にすることを断念。

  • スカーフ水ウーラオスがテラスを切らなければ行動保障を期待できない性能をしている(スカーフパオジアンのテラバースト)
  • 軸の並びが環境トップのハバタクカミ、カイリューに弱い
  • そもそも環境的に各ポケモンの圧力が高すぎて、対面操作を行うことが困難

ただ、裏に採用していた襷草テラスパオジアン+水ウーラオスの役割集中、瞑想痛み分けのブースト水テラスハバタクカミには可能性を感じたので、サイクルを回すことを諦め、襷パオジアン始動の対面+積みのハイブリッド展開で組み直すことにした。

基本軸の確定


襷草テラスパオジアンは、環境トップであるパオジアンと(テラスを切らなければ)水ウーラオスに弱いため、まずはそこに展開を作れるポケモンを探すことから始めた。
検討したところ、壁張りレジエレキであれば2体に展開を作ることができ、壁展開の苦手なディンルー、カバルドン、マスカーニャキノガッサ等に襷草テラスパオジアンを刺せるといった、お互いの呼び込みたいポケモンを呼び合う相互補完が望めると考えた。
壁張りを採用したので水ウーラオスをスカーフからパンチグローブの剣の舞ドレインパンチ型に変えて試したところ、レジエレキ+水ウーラオス+ハバタクカミの壁展開が非常にパワーの高い選出であることが分かったため、パオジアンを含めた4枚を軸に固定することにした。

序盤2桁台まで


軸確定時点では、裏には初期からそこそこ活躍してくれた残飯霊獣ランドロスと未来予知+欠伸+寒いギャグ持ちのガラルヤドキングでしばらく潜っていた。
この状態でもある程度戦えていたが、下記が気になり裏2枚を考え直すことにした。

  • ガラルヤドキングが相手に攻め寄りの選出をされた時に腐りがち
  • 仮にブーストテツノツツミを流してもブースト無ハバタクカミ、霊獣ランドロス、水ウーラオスではブースト無テツノツツミを起点にできない
  • ドオー、ドヒドイデモロバレルに両エースが弱いため、スカーフイーユイ等と組み合わさると対応が困難になる
  • 地面タイプがパオジアン、水ウーラオスにテラスを強要されて強くない

補完枠の見直し


4枚を固定した時に対策しなければならない要素は下記だと考えた。

何はともあれテツノツツミがどうしようもなかったので対策を考えたところ、壁と合わせて悪巧みサーフゴーを採用すれば、ブーストテツノツツミのアンコールを拒否しながら展開できるのでないかと考えた。
また、隠密マントも持たせればマスカーニャ以外には比較的戦える駒になると考え使用したところ、想像以上に使い勝手が良かったので5枠目に確定した。
6枠目にはここまでで重めな受けの毒タイプ+イーユイやマスカーニャに強く、サイクルに圧力をかけられそうなカイリューを採用した。最初は飛行テラスの身代わりアンコールで使用したが、テラス依存度の高さにより運用が難しいと感じたのと、テツノツツミ入りのラス1カイリューに対して安定した詰めを行えるポケモンがいないことに気づいたので、その辺りを解消した拘り鉢巻ノーマルテラスのABベースけたぐり型に変更した。

最後に構築を回す中で気になった水ウーラオス、ハバタクカミ、パオジアン、サーフゴーの技構成やテラスタイプの微調整を行い、構築が完成した。

個別解説

レジエレキ@光の粘土
ゴーストテラス
183-108-82-121-71-268
サンダープリズン リフレクター 光の壁 大爆発

初手パオジアンや水ウーラオスを牽制しつつ、地面タイプを強く誘発することでこちらのパオジアンと水ウーラオスの通りを良くしてくれる。
サンダープリズンは襷水ウーラオスゲッコウガに対面勝つために入れたが、シンプルに定数ダメージの削りが優秀で壁以外の強さも引き出してくれていたと思う。
スカーフハバタクカミやテツノツツミの攻撃でもほぼ確定を取られないため、どんな相手にも1回は動ける安心感があった。
テラスタイプは後発出しからカイリューの神速を透かして壁を貼れるようにゴーストテラスとした。
選出率は4割強程度とそこまで出す訳ではないが、対面構築相手への勝率や選出誘導の面で間違いなく貢献していた。
シーズン終了後の反省だが、選出圧が高すぎて刺さりすぎていると初手ブーストハバタクカミのような無茶な選出をされることがあるので、そういう相手にはむしろパオジアン軸で組み立てた方が良かったかもしれない。

HB

  • A200水ウーラオスの水流連打をほぼ耐え

HD

S

  • ↑1S178ライン抜き (S71位のブーストエナジーテツノブジン意識)

パオジアン@気合の襷
草テラス
155-187-111-*-85-179
氷柱落とし 噛み砕く テラバースト カタストロフィ

レジエレキの展開し辛いディンルー、カバルドンキノガッサ、マスカーニャ、ドラパルト、ガブリアス、ガチグマ辺りが初手に来た時に大体有利を取れるのが強かった。
また、辛いヘイラッシャを呼び寄せながら削りを入れられる点も優秀だったと思う。
有利対面で相手のテラスを誘発し、カタストロフィの定数削りを入れることで一定のアドバンテージを取ることができた。
相手のパオジアンと対面してしまった場合もカタストロフィから入り、聖なる剣を撃たれたらテラバーストはないと判断して水ウーラオスで剣の舞を積み対応していた。
Sを削ったことでミラーに勝てる理由がなくなったからか、初手出しのパオジアンが先制技を撃ちたい対面が思いの外なかったので、不意打ちを切って噛み砕くを入れてみた。
カタストロフィを見せると噛み砕くはほぼ考慮から外れるため、HBサーフゴーやラウドボーンに楽できる場面があって良かったが、やはり不意打ちが欲しい局面もいくつかあった。
テラスタイプはヘイラッシャや水ウーラオスキノガッサへの耐性をつけられる草テラスとした。
先制技がないと後発から出しても強くないのでシーズン終盤以降は全て初手出ししていた。

配分参考
ポケモンSV シングル シーズン6 パオラッシャイーユイ最終19位 - 有利対面ロクブラの法則

水ウーラオス@パンチグローブ
毒テラス
201-200-120-*-80-124
水流連打 ドレインパンチ アクアジェット 剣の舞

壁下で剣の舞を積むことで圧倒的な制圧力とドレインパンチによる場持ちの良さを手に入れることができる。
元タイプが水流連打と暗黒強打に耐性を持っていることから壁との相性が非常に良い。
壁がなくても物理相手にはかなり動けるのでレジエレキがいなくても積極的に投げていく。
パンチグローブは↑2水流連打でH振りカイリューを半分以上削る火力を確保できるのと同時に、ゴツゴツメットや炎の体、鮫肌を拒否できる点を評価している。
テラスタイプは最初は水だったが、アクアジェットのリーチが伸びる以外メリットを感じなかったので、ドヒドイデの毒拒否、マスカーニャのトリックフラワー半減、フェアリー格闘打点半減にできる毒テラスとした。
ハバタクカミやミミッキュの数少ない処理ルートになるため、選出した時には可能な限りこいつにテラスを切っていた。

H

  • 余り

A

S

ハバタクカミ@ブーストエナジー
水テラス
131-*-92-170-156-205
ムーンフォース 瞑想 身代わり 痛み分け

タイプの強さでカイリューやウーラオス、パオジアン等を上から制圧していく。
壁下で瞑想痛み分けしているだけで3タテまで持って行けることもそこそこあった。
カイリューはハバタクカミでテラスを切らせて水ウーラオスで処理できるようにする動きが重要になってくる。
身代わりの枠はシャドーボールと選択だが、身代わりによる詰ませが有効に働く場面が多かったので、終盤のサーフゴー増加を差し置いても身代わりで正解だったように思う。
ハバタクカミがきつい構築なので、上から動けるように最速。
テラスタイプは鋼打点と水打点、氷打点を半減できる水テラスとした。
ただ、カイリューの神速が通るようになったり、ヒスイヌメルゴンとの相性をひっくり返しても突破した時に水ウーラオスアクアジェット圏内に入ってたりするのでテラスを切る機会は少なかった。

配分参考
【SVシングル-S6使用構築】パオカイユイカミバレルラッシャ【最終6位】 - 余裕のよっちゃん

サーフゴー@隠密マント
格闘テラス
194-*-115-203-111-105
シャドーボール テラバースト 悪巧み 自己再生

壁下で受けを起点にすることで受け攻めスイッチ系を貫通することができたり、テツノツツミ+カイリューを半壊させることができた。
また、地味に辛めなバサギリとかモロバレルのような採用率の低いポケモンに圧力をかけられるので、構築のお守りのような存在になっていた。
最初は壁下での運用を想定していたが、練度が上がるにつれて壁なしのサイクル駒としても積極的に運用するようになった。
隠密マントはキョジオーン耐性がつくことは勿論、イーユイの悪の波動やパオジアンの氷柱落としの怯みを拒否できることで運で捲られづらくなるのが良かった。
テラスタイプは悪タイプに抜群をつきながら受け回しへの最低限の耐性を確保しつつ、悪技を半減できる格闘テラスとした。
格闘テラスが現環境で考慮され辛いのか、格闘弱点の相手でもテラスを切らずに突っ込んでくることが多く、そこそこイージーウィンを取ることができた。

H

  • 耐久ライン底上げのために振り切り

C

  • 技の威力が低いので振り切り

カイリュー@拘り鉢巻
ノーマルテラス マルチスケイル
175-202-140-*-121-101
逆鱗 地震 神速 けたぐり

逆鱗により受け回しを崩したり、神速で相手を縛ったり、耐性やマルチスケイルを使って有限サイクルを成立させたりと対面崩しサイクル全てをこなしてくれた。
けたぐりがH振りノーマルテラスカイリューに6割以上入るため、羽休め+残飯で粘ることを許さない。
副産物としてディンルー、ガチグマ、風船ヒードランを削る動きができるようになった。
また、ノーマルテラスカイリューに強くするためにBに厚く振ったが、様々な物理攻撃をミリ耐えするようになったお陰で色んな対戦を拾うことができた。
テラスタイプは神速のリーチを伸ばせるようにノーマルテラスとした。

HB

  • ↑1A204ノーマルテラスカイリューの神速*2をマルチスケイル込みでほぼ耐え

A

  • 余り(数値効率的にA1削ってDS振り分け)

選出例


令和のライコウローブウルガと呼んでいた基本選出。
ディンルー等による壁展開の阻害がなさそうで受けの毒タイプやヘイラッシャがいなければ選出できる。
壁下の水ウーラオスの破壊力、壁下の痛み分けで場持ちが良くなるハバタクカミの性能が非常に高く、選出さえできれば高い勝率を確保できた。


襷始動の積み展開。
レジエレキの展開し辛いディンルー、カバルドンキノガッサ、マスカーニャ、ドラパルト、ガブリアス、ガチグマ辺りがいた場合に出すことが多い。
ディンルーにはテラスを切らせつつ、カタストロフィ+削りによる最低限の被害で倒すのが理想。

+oror
主にマスカーニャ入りやヘイラッシャ入りに投げるパオジアン+カイリューの対面選出。
ヘイラッシャをカタストロフィ+草テラバーストで削り、水ウーラオスやハバタクカミの一貫を作りたい。
マスカーニャ入りはキョジオーンとセットであることが多かったので、補完にサーフゴーを選択していた。
裏水ウーラオスの選出はハバタクカミが刺さりづらい相手に対して物理の役割集中をかけるときにも重宝した。

+oror
テツノツツミ入りや受けの毒タイプ入りの受け攻めスイッチ系統に選出することが多い。
壁下のサーフゴーがテツノツツミ展開、受けの毒タイプ+攻めのどちらにも強く、基本4枠の辛い構築を崩してくれた。
ラス枠は対テツノツツミ+カイリューであればカイリュー、対ハバタクカミを厚く見るならハバタクカミ、刺さっているようであれば水ウーラオスを選択していた。

+or
ドヒドイデ入りや受け回し能力の高い構築に投げていた。
カイリューの逆鱗かサーフゴーを通してからハバタクカミによる詰めという展開が多かった。


ディンルー+ヒードランの同居やガチグマのような、けたぐりが初手で通りそうな場合に投げていた。
ハバタクカミに後隙を見せやすい選出なので、技選択を慎重に行う必要がある。


水ウーラオスの刺さりが非常に良い時に投げていた。
パオジアンで荒らしてレジエレキで壁を貼ってウーラオス着地と一直線な動きになるので、選出段階で出しても良いか見極めが必要。


受け回しへの選出。格闘テラスサーフゴーを通すことを目指す。
ちゃんと立ち回られると崩し切ることが困難だが、環境上受け回しが生き残るのは相当厳しいと感じたため、最低限の対策で許容した。

所感

対面構築ミラーにおいては初手対面のアドバンテージがそのまま勝敗に直結してくることが多いので、ギミックで初手対面を誘導して有利に持ち込む考え方は当たっていたように感じている。
実際、初手パオジアンが有利対面を取ってテラス誘発を決めることができた対戦はだいたい有利に進めることができた。
かなりどうしようもないサイコファングパオジアンとは2回しか当たらなかったが、正直もう少し増えても良いポケモンだとは思うので来期からは壁の信用度は下がる気がしている。
対テツノツツミは壁サーフゴーで倒すのが理想だが、結局レジエレキとサーフゴーをセットで出せる相手が少なかったので、終盤はお祈りしながら対面的に処理しに行くことが多かった。
また、ハバタクカミとミミッキュの処理を毒テラスウーラオスに頼りすぎて立ち回り幅が狭まっていたと思うので、そこが勝ちきれなかった一つの要因だとは感じている。
最後の対戦に勝てれば1桁に載せることはできたが、構築の欠陥であるハバタクカミの同速勝負に屈した形となった。
ただ、思い返すとそもそも立ち回り次第で捲れた対戦がいくつかあったと思うので、プレイヤースキル的にも最終1桁に残れなかったのは順当だったように思う。
それでも選出例の通り、展開パターンを多く持つ自分好みの構築が久しぶりに組めたので、その点では満足している。

Special Thanks

  • 構築のレンタルを作ってくれたしざよさん
  • 応援してくれたぶえめいぼのみんな